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よくあるご質問をまとめさせて頂きました。
その他にもご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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- Q.近所の方、会社の同僚、友人のお宅で葬儀があったときどんなお手伝いをしたらよいでしょうか。
- Q.亡くなったら、まずどうしたらいいですか?
- Q.式場を選ぶことはできますか?
- Q.誰が喪主を勤めるのですか?
- Q.ご安置する場所はありますか?
- Q.献体はどうするの?
- Q.火葬の期限は?
- Q.葬儀と告別式の違いは?
- Q.「斎場」って何ですか?
- Q.無宗教をしたいのだが…。
- Q.散骨したいのだが…?
- Q.「戒名」とは本来どういうものなのでしょうか。
- Q.戒名は自分でつけてもよいのか?
- Q.墓守りの負担を子供にさせたくないのだが…?
- Q.死者を忘れることが供養?
- Q.喪主挨拶の仕方は?
- Q.いい弔辞とは?
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Q.近所の方、会社の同僚、友人のお宅で葬儀があったときどんなお手伝いをしたらよいでしょうか。
A.今は業者がいろいろやってくれるとはいっても、お手伝いする仕事はたくさんあります。
- ●自宅でするなら家の掃除
- ●弔問客の接待
- ●料理作り
- ●配膳
- ●会葬者の受付
- ●香典の記帳
- ●返礼品を渡す仕事
- ●階層の間の手荷物の預かり
- ●式場案内図を周辺へ貼る
- ●式場周辺の道案内
- ●車の誘導
- ●会館などで葬儀をするときはお宅の留守番
- ●後片付け
とこれだけあります。特に自宅や寺院での葬儀にはけっこう人手がいります。遺族に率直に申し出て、何かお手伝いできるものはないかたずねてみましょう。知らない同士が急遽集まって手伝うのですからコツがあります。まず、遺族との連絡や各仕事を統括する責任者を定めます。そして例えば、家の中は近所の人たち、受付は友人たち、式場周辺は会社の人たち、と同種の仕事はよく知った人でチームを組みます。お手伝いが逆に遺族の負担にならないように注意しましょう。
大切なことは、きちんと事前に遺族と相談して、自分たちの考えではなく、遺族の考えに則って行動すること。遺族も意思をはっきり伝える必要があります。
Q.亡くなったら、まずどうしたらいいですか?
A.まず、医師から「死亡宣告」を受けたら葬儀屋に搬送依頼の電話をします。
病院にお世話になったからといって、病院指定葬儀屋にお願いしなくてもかまいません。
その際はシンフォニーライフにお電話ください。すみやかにスタッフがお伺い致します。
Q.式場を選ぶことはできますか?
A.当社の式場の中からお客様の希望される式場を選んでいただくことが可能です。
事前にご相談頂き一緒にご希望の式場を探させて頂きますので、お気軽にご連絡ください。
Q.誰が喪主を勤めるのですか?
A.通常は世帯主以外が死亡した場合は、世帯主が喪主を努めます。
世帯主が死亡した場合はその配偶者または子ども、とするのが一般的です。一度ご家族内で相談されることをおすすめします。
Q.ご安置する場所はありますか?
A.当社霊安室にて24時間365日ご対応させて頂きます。
もし、ご自宅に連れて帰ることができない場合もご安心ください。
Q.献体はどうするの?
A.まず言っておかなければいけないのは、「献体すればお葬式はいらない」というのは誤解だということです。火葬はしなくていいのですが、お葬式というのは大きさの大小を別にして、遺された人々が死者を弔うという行為ですから、誰も身寄りがいない、親しくしている知人、友人もいないなら別ですが、なんらかの弔う行為は伴うはずです。
さて献体ですが、「医学・歯学の大学における人体解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供すること」を言います。つまり、将来医者になる学生が人体解剖学の実習をする教材に自分の遺体を使ってもらおうとして提供することです。
これは医学教育のためにとても重要なことです。医師養成のために貢献するという、この主旨を理解し、賛同する人が自分の自由な意思で登録しておきます。このとき家族のある人は家族の同意を必要とします。登録の申込先は、篤志家団体または近くの各医科大学や歯科大学になります。
なお、献体の実行は以下のように行われます。
献体登録者が死亡すると、遺族は登録先の大学にできるだけ早く連絡し、遺体の引渡し手順を打ち合わせします。大学では48時間以内の引き取りを希望しています。別な言い方をすると48時間はお別れをする時間があるということです。
通常であれば、亡くなった日の夜に通夜をし、翌日に葬儀・告別式をし、火葬場に行く代わりに大学からの引取りの車に乗って大学へ向かいます。大学での防腐処置を施され、解剖実習に供され、死後1~2年後に大学の責任で火葬され、遺骨となって家族の手に返還されます。遺骨は、引き取り手のいない場合、または希望すれば、大学の慰霊塔に合祀され、毎年供養のための慰霊祭が行われます。
献体すればお葬式しなくてもいい、お墓がいらないというのは、主旨が違いますから注意しましょう。
篤志解剖全国連合会 東京都新宿区西新宿6-15-12ストーク中央公園703 電話03-3502-2073
Q.火葬の期限は?
A.法律的には、いつまで火葬しなければいけないということは決まっていません。しかし遺体に対する国民感情を考えると、常識的な期限はあると考えてよいでしょう。
まず、問題を整理しましょう。死亡すると、届出義務者は死亡の事実を知った日から7日以内(国外では3ヶ月以内)に死亡を届け出、その際には死亡診断書または死体検案書を添付すべきことは、戸籍法第86条に定められています。
これは医学教育のためにとても重要なことです。医師養成のために貢献するという、この主旨を理解し、賛同する人が自分の自由な意思で登録しておきます。このとき家族のある人は家族の同意を必要とします。登録の申込先は、篤志家団体または近くの各医科大学や歯科大学になります。
次に火葬についてですが、墓地、埋葬などに関する法律の第5条に、埋葬または火葬を行おうとする者は「市町村民に許可を受けなければならない」とあり、この許可を得るためには死亡届が受理されていることを条件としています。いま日本の火葬率は99%ですが、法律的には埋葬(墓埋法では”埋葬”は”死体を土中に葬ること”つまり土葬を意味します)も許されています。
24時間以内の埋葬または火葬の禁止(感染症法などに定めのあるときは除く)は同法第3条に定められていますが、ここには「埋葬または火葬をしなければならない」とは書かれていません。但し、第9条に「死体の埋葬または火葬を行う者がいないときまたは判明しないときは死亡地の市町村長がこれを行わなければならない」とあるので、遺体は埋葬または火葬されるべきことが暗黙に了解されていると言えるでしょう。
遺体の保存については、死体解剖保存法第17条に「医学に関する大学または医療法の規定による総合病院の長は医学の教育または研究のため特に必要があるときは、遺族の承諾を得て、死体の全部または一部を標本として保存できる」とあり、これは献体遺体などの解剖後の遺体についての特別規定です。
こうした特例を除いて、長期に遺体を保存することは刑法190条の死体遺棄罪に該当する危惧が発生します。常識的には腐敗が進行して腐臭を発生させるまでと言えるでしょう。
こうした特例を除いて、長期に遺体を保存することは刑法190条の死体遺棄罪に該当する危惧が発生します。常識的には腐敗が進行して腐臭を発生させるまでと言えるでしょう。
エンバーミングされた遺体は理論的には腐敗しないので、期限はないように思われますが、国民感情上無期限ということはありません。IFSAではその点を考慮し、自主基準で50日以内と制限をつけています。それは死者祭祀が十分に行われる期限ということで、四十九日の慣習などを考慮しそれを超えた保存は禁止しています。これは妥当な解釈であると思われます。
Q.葬儀と告別式の違いは?
A.お葬式の道案内に「葬儀会場」「告別式会場」と書いてあるのは同じ意味です。しかし「葬儀」と「告別式」とは厳密には同じ意味ではありません。
一般的にお葬式で人々の会葬を受ける場は「葬儀・告別式」です。これは本来は「葬儀(式)」と「告別式」とが別個に行われていたのが一緒に行われるようになったためにできた言葉です。「葬儀ならびに告別式」というのが丁寧な表現になります。これを会場案内状などに書くときには「葬儀・告別式」と併記しないで「葬儀」または「告別式」のいずれかを用いるのが慣用となっています。
「葬儀(式)」とは本来は死者をあの世へ送るための儀式です。ですからしばしば宗教儀礼によって執り行われます。
これに対し「告別式」とは参列あるいは会葬した人たちが、焼香や献花をもって死者に対してお別れをする儀式のことです。本来は葬儀(式)を行った後に告別式を行いました。いまでも社葬などの場合には葬儀(式)と告別式とを分けて行います。
社葬などの場合は、葬儀(式)は13時から14時まで、告別式は14時からというときには葬儀(式)に参列していただく方には葬儀の開始時刻を連絡しますが、死亡広告などの一般の方への案内では告別式の開始時刻である14時のみを案内します。一般の葬式では葬儀(式)と告別式とを分離しないで行うケースが多いので「葬儀ならびに告別式」となります。
なお、近年は通夜に会葬される方が多くなっています。本来は通夜は近親者が死者と最後のお別れをする場ですから、特別に死者と親しかった人意外は伴問しないものでした。いまでも地方では通夜は近親者だけで営むところがあります。
しかし、昼間は仕事があるので夜行われる通夜にしか弔問できないということで通夜に弔問する人が多くなったようです。特に死者と親しかった人は通夜にも、翌日の葬儀・告別式にも両方出ます。それほど親しいわけではないがお別れしたい人は、昼間都合がつくならば告別式のほうへ出るといのが本来です。しかし、近年は死亡広告において「通夜 11月10日 18時から、告別式 11月11日 11時から」と案内されることが多いようです。この場合にはいずれに弔問してもいいですよという意味になります。
Q.「斎場」って何ですか?
A.「斎場」というのは「葬儀を行う場所」という意味です。「葬儀会館」「葬儀式場」とか、あるいは横文字で「セレモニーホール」などと言われることもあります。
斎場には公営、寺院など宗教法人が経営するもの、葬儀社などの民間のものとあります。経営主体により使用料も異なります。
また、斎場により設備の内容が異なります。式場だけの使用である場合もありますし、親族が仮眠でき、中には浴室や簡易キッチンを備えたところもあります。また、葬儀後の会食ができる部屋を用意してあるところもあります。
サービスも違ってきます。場所貸しだけというところから、寝具、食器などの道具を貸し出すところ、一流ホテル並みのきめの細かい相談、サービスを含む必要な設備一切を備えたところ、といろいろです。
ご自宅で葬儀をするとなると、自宅の広い、狭いもありますが、遺族、特に女性の遺族に負担になるというので、最近は自宅ではなく斎場で、という動きになっていることは事実です。しかし同じ「斎場」と言っても、使用料、設備、使い勝手、サービス、といろいろ異なりますので、パンフレットを取り寄せる、実際に見学する、利用者の評判を聞く、などして確かめるといいでしょう。
「自宅からおくってあげたい」という人は、無理に斎場を利用する必要はありません。また、火葬場のことを「斎場」と呼ぶところもありますので要注意。
Q.無宗教をしたいのだが…。
A.決まった宗教をもたない、お寺とのお付き合いがない場合、仏教など特定の宗教宗派によらない方式でもお葬式はできます。この方式を「無宗教葬」と言います。
また決まった方式が定まっていないことから「自由葬」とよばれることもあります。
無宗教葬は定まった方式がありませんからどうやってもいい反面、遺族の方も参列する方も慣れていないのでとまどうことが少なくありません。無宗教葬を行う場合に大切なことは次のことでしょう。
(1)弔いの場であることを明確に
最初に皆で規律して1分間の黙祷をするなどをして、この場が死者を弔う場であることを明確にしましょう。
(2)皆の送る気持ちを表現する
言葉を捧げたり、お孫さんが歌を捧げたり、故人の好きだった音楽にしばらく耳を傾けたりと、さまざまです。遺族や参列者が色紙や短冊に送る言葉を書いて捧げるのもいいでしょう。
形式ばる必要はありませんから、遺族や参列者の故人を送る気持ちを何かで表現したいものです。2~3人の方(故人の生前をよくご存知の方)が短く送る
無宗教をして困るのは、むしろお葬式の後です。仏教では仏壇があったり、四十九日があったりしますから、お葬式後の弔い方が慣習とした方式がありません。そこで遺族の方は弔い方で迷ってしまい、このことで苦しむ方もいます。
そこで無宗教であっても、日本の喪の慣習を積極的に採用したらどうえしょうか。今は仏壇も宗教色のないものがあります。これを飾り故人との対話の場を作ります。お坊さんを招かなくても、四十九日や一周忌には関係者が集まって思い出を語る会をもちます。自由ですから、慣習としていいもの、慣れているものを採用する自由もあるのです。お葬式の場でも、無宗教だから献花という考えを捨て、皆の慣れ親しんだ焼香でお別れしてもいいのです。
無宗教だから新しい方式というのではなく、今まで慣れ親しんだ方式もこだわらずに採用するということであれば、皆もとまどわずに弔うということに気持ちを集中できるのではないでしょうか。
Q.散骨したいのだが…?
A.まず「散骨」の定義ですが、「焼骨を粉末状にして、墓地または墓地以外の場所に焼骨を撒布すること」となっています。「焼骨」とは火葬された遺骨という意味です。
次に法律的なことについてお答えしておきましょう。散骨は「遺骨を捨てる目的ではなく、あくまで葬迭を目的として、節度を持って行うならば違法ではない。」というのが現在の有力な法解釈となっています。お父様の遺志であるならば「葬迭目的」となるでしょう。問題は「節度」の内容です。これについて定めたものはありませんが、常識的にはつぎのようになるでしょう。
●第一に、遺骨を原型を留めないように砕く。
●第二に、他人が嫌がらないような場所に撒く。
●第三に、撒くことで環境汚染にならないように注意する。
アメリカでは、2ミリ以下にするように定めた州法もあります。海であれば海水浴場や海岸線の近くは避け、沖合いに出て行うべきでしょう。また遺骨と一緒にビニールで梱包したままの状態で生花を海に投ずることなどは海を汚すことになるのでやめたいものです。
今、散骨サービス事業者も出てきました。こうした事業者は遺骨を細かく砕くミキサーを保持しているところが多いです。また、ミキサーも持たずに散骨サービスしているところはやめたほうがいいです。
散骨は法律的に明文化されてはいません。そのため届け出たり、許可を受ける必要はありません。しかし、どやってもいいわけではないことは上述したとおりです。
なお、散骨されることは自由ですが、遺骨全部を散骨した場合、遺骨が手元に残らないために、後にさびしいと感じられる人もいます。その場合、遺骨一握り手元に置き仏壇に安置したり、家のお墓に納めるという方法もあります。ご家族でよく相談なさって悔いのない葬りをしてください。
Q.「戒名」とは本来どういうものなのでしょうか。
A.「戒名」は「死者につける名前」でなく、本来仏教では仏弟子にするときに授ける名前のこと。出家したときに僧侶につけられる名前が戒名でした。中世に僧侶にする葬儀を模して在家(一般の信者)に対する葬儀法が形作られたため、死者に対し剃髪し、仏弟子になった徴として戒名を授けるようになりました。
今のように院号、居士、大師など位の高い戒名を皆がお金を競って求めるようになったのは戦後の高度経済成長以降の悪弊。昔は○○信女(信士)と4字が普通。本来の戒名は○○の2字だけ。院号、道号、位号、などはいわゆる修飾語で、お寺に対する貢献度や信心の深さを僧侶が判断してつけたものです。けっして売買の対象ではありません。
したがって「戒名料」というのはなく、あるのは「戒名を授与されたことへの”お礼”の気持ちを”お布施”の形で表す」こと。ですから金額は任意が原則。それぞれの信仰、立場において決めるもの。わからないときは僧侶に率直にたずねてみるのも一つの方法です。
大切なことは、きちんと事前に遺族と相談して、自分たちの考えではなく、遺族の考えに則って行動すること。遺族も意思をはっきり伝える必要があります。
戒名はあくまで仏教に帰依し、仏教になる徴。なお、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と言います。キリスト教、神道など他の宗教では戒名はありません。本名である俗名での仏式葬も可能ですが、菩堤寺への納骨では戒名が必要となることもあります。
Q.戒名は自分でつけてもよいのか?
A.「戒名」を「死後の名前」というのは反面の事実でしょうがそれだけではありません。正しくは「仏弟子としての名前」です。ですから仏教徒でなければそもそも戒名は不要なものです。無宗教で葬式をするのであれば、昔の人が現職を退いたときに改名したように、自分で自由に名乗ってもかまいません。
ですが、戒名が仏弟子としての名前であることを了解するのであれば、これは自分で勝手に決めるわけにはいきません。仏弟子になるとは法縁につながるということですから、やはり檀那寺の住職につけてもらいたいものです。
自分でつけたいという気持ちには納得できるような戒名を、というお気持ちがあるのでしょう。そうであるならば住職に自分の生き方をよく説明し、希望の文字があれば伝え、生前に戒名をいただいておくのがよろしいでしょう。
戒名は、一般的には死後に授与されていますが、仏弟子に連なるという意味からすれば、生前に授かるのが本来的です。生前にもらうのは縁起が悪いとお考えになるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
自分を送ってくれる役割の住職には自分の生涯を理解してもらってないとむしろ不安でしょう。生前にコミュニケーションをとっておくことは必要なことです。僧侶は死んでから役に立つ存在ではなく生きてるときにこそ役に立つ存在なのです。また戒名を授かることにより残りの人生を充実させることもできるでしょう。
Q.墓守りの負担を子供にさせたくないのだが…?
A. 10年ほど前からお墓の事情は大きく変わってきています。今までの「○○家の墓」の場合、お墓を守る人が必要でした。しかし核家族となり少子化が進み、跡継ぎのいない人、跡継ぎがいても子に負担をかけたくない人が現れ、お墓のシステムも変化しました。その代表的なのが「永代供養」と言われるものです。跡継ぎがいなくてもお寺が責任をもって守るという形態の墓です。多くは共同墓の形態になっています。(公営の場合には合葬墓といわれます。)
しかしこれに問題がないわけではありません。管理がきちんとしているお寺か、信頼できるお寺であるかということです。よく事前に調査し、値段だけでなく、心から託すに足りるか面談して選ぶ必要があります。
またお墓というものは死者のためにあるのではなく、遺された者のためにあるということを忘れてはいけません。お子様方が管理料を支払ったり墓守りをする義務はなくても、お墓参りしたいという気持ちになったら、気持ちよくお墓参りできることも考えておきましょう。その意味では、お二人のお子さんともよく話し合って家族が納得できるお墓選びをしたいものです。
近年では跡継ぎを必要としない形態では、自然に還す樹木葬、30年、50年と使用期限を定めた有期限のお墓などいろいろあります。それぞれの死生観に合わせて選択するといいでしょう。
Q.死者を忘れることが供養?
A. 高名な仏教学者が「仏教の基本的な考え方は、死者について忘れなさいというものですから、私たちが死者を忘れることによって死者は浮かばれるのだと思います」と書いてあるのを読んだことがあります。
それを読んだ私の感想は、この学者は仏教について学問的知識はあるのかもしれないが、人間を深いところでは理解できてないな、というものでした。子どもをなくした親がそのことを忘れろと言われて忘れられるものではありません。忘れるということは心の中から排除しようとすることですから、それは心をむしろ傷つける方向に働きます。仏教の専門家ではありませんから、仏教の教理に立って反論はできませんが、これが仏教の基本的な考え方であるはずがないと思います。むしろ死者を忘れ、悲しむことをやめるのではなく、悲しむことを大切にすることです。あなたが嘆き悲しむのは、お子さんがそれだけあなたにとって大切な存在だったという愛の証なのです。一周忌を迎えてもあなたが何もする気もおきないのは、それだけ息子さんの喪失が大きかったということなのです。早く立ち直ろうとしなくていいのです。供養するということは、死者を忘れることではなく、亡くなった方が大切な存在であるということを自分の中で確認することだと思うのです。
僧侶で詩人の福島泰樹さんが「人は死んだらどこへゆくのか」と自問し、「そうだ、人は死んだら”ひと”の心の中へ行くのです」と書いています。この言葉は深い意味をもっていると思います。心の中にしっかりと死者を刻み込むこと、これが今大切なことではないでしょうか。
Q.喪主挨拶の仕方は?
A.お母様のご葬儀の喪主を務められるとのことですが、喪主というのはお母様を亡くして悲しいうえに、何かと神経をつかうことが多いものです。特に、ご挨拶なさるということは緊張するものです。まず、上手に話そうとしないことです。ご自身の言葉で、平易な言葉で、ゆっくりと誠実に話すことが大切です。
こんな感じで話し始めたらいかがでしょうか。
「故人の長男の靖男と申します。本日は母のためにご会葬いただき、厚く御礼申し上げます。」自己紹介をし、会葬いただいたお礼を言います。このときゆっくりとお辞儀をします。この後、故人が自分たちにとってどんな存在であったかを話すといいでしょう。「母はご存知の方もいらっしゃるでしょうが、勝気な性格でした。しかしそれは間違ったことが嫌いということからきており、性格はまじめで、家庭では子どもや孫をたいそうかわいがってくれました。頼りになる母でした。」
あるいは、「母は外では静かな、引っ込み思案なところがありましたが、家では全てを切り盛りしてくれるよくできた母親でした。」自分の親だから謙遜するのではなく、故人の良かったところをはっきり話すことが大切です。こんな話し方もあります。
「母は早くに夫を亡くしたため、働いて私たち3人の子を育ててくれました。貧しくはありましたが、愛情をたくさん注いでくれて、子どもたちにとっては母は誇りでした。」故人のことを報告したら、臨終のことを会葬者に報告するのもいいでしょう。たとえば、「母は、3ヶ月前に”体調が悪い”と訴え、市立病院で診ていただいたところ、がんの末期ということで即入院となりました。痛かったろうと思いますが、病院の先生方に痛み止めを打っていただき、最期は1月15日、家族が見守る中、穏やかに息を引き取りました。」
あるいは、「母は、最後は寝たきりになり自宅で訪問介護を受けながらでございました。1月15日、朝家族が様子を見に行きましたら、眠ったまま息を引き取っていました。長年暮らした家で最期を迎えることが出来てよかったと思います。」
挨拶の最後はお礼で締め括ります。「本日は、母・田中明美のためにご会葬いただき改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。」お礼の言葉はゆっくりと話すことがポイントです。お礼を言ったら深く頭を下げます。
もう一つ例をあげておきましょう。「今日は母が生前に大変お世話になった方々にお越しいただいております。母に代わりお礼を申し上げます。ありがとうございました。」
全体にゆっくり、はっきりと話すことが大切で、気の利いたことは言う必要はありません。ポイントを整理すると、
1.会葬者へお礼をする。
2.故人の思い出を語る。
3.できれば死亡の状況を報告する。
4.改めて会葬者にお礼をする、となります。
挨拶文の文例であ「賜りましたご厚誼に対し」「ご多忙中のところ遠路はるばる」などという型にはまった表現が見られますが、無理をせず、易しい言葉で話すことのほうが、相手に気持ちが伝わります。喪主が挨拶するのは出棺や葬儀の後の挨拶だけではありません。いくつかの場面での文例をあげておきましょう。
●通夜での挨拶
「本日は、母・田中明美のためにお越しいただきありがとうございました。この後ささやかな食事の用意をしておりますのでお時間のある方はしばしお残りいただき、母の思い出話などしていただければと思います。」
●会食後の挨拶
「本日は朝早くからお世話になりました。母に成り代わりお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。」
Q.いい弔辞とは?
A.弔辞を述べる際に気をつけることは次の点です。
1.長くなりすぎない。
2.前置きは長くしない。
3.印象深いエピソードを入れる。
4.ゆっくりはっきり話
まず(1)の長さですが、一般的に弔辞の一人に与えられる時間は5分です。しかし5分全部使えるわけではありません。前に進んでいく時間、終わって弔辞をたたみ、自分の席に戻る時間があります。しかもゆっくりとした動作で行いますから、前後の動作に各1分、計2分必要です。すると弔辞を述べる時間は正味3分ということになります。急いで話せば400字詰めの原稿用紙1枚を1分で話すことができますが、ゆっくり話すとなると90秒で2枚、つまり3分間で話すのが適当な分量は、400字詰め原稿用紙で2枚程度となります。これは文字の実数が800字ということではなく、改行などを入れてのうえです。文章を改行するときは、話す場合にそこで一拍入れますので、改行することも計算に入れておきます。
400字詰め原稿用紙で2枚分というのは分量的に多い量ではありません。したがって(2)の前置きはこのようなものでいいでしょう。「○○社に働く従業員を代表し、会長にお別れの言葉を述べさせていただきます」友人代表であれば次のようになります。「中学・高校と一緒に学んだ友人としてお別れの言葉を述べさせていただきます。」「会社で同僚として働いた仲間を代表して弔辞を述べさせていただきます」会社の取引先であれば、「仕事を通じて深くお世話になった者として、お別れの言葉を述べさせていただきます」会社の取引先であれば、「仕事を通じて深くお世話になった者として、お別れの言葉を述べさせていただきます」
本文に入りますが、(3)にあるように印象深いエピソードを入れることが大切です。社員代表であれば、「会長は厳しい方でした。ミスに厳しく対処される方でした。”ミスは隠してはならない。そのミスがどうして起こったのか、徹底的に原因究明しないと、また同じミスを犯してします。ミスを会社全体の共有財産にしなければならない”というのが口癖でした。最後に必ずおっしゃいました。”どうしたらそのミスはなくせるだろうか”合理的な考えの持ち主で、精神論やミスした本人の資質の問題としてではなく、常にシステムの改善の問題として考える方でした。そしておっしゃいました。”ミスというのはけっして個人の問題ではない。会社のミスなんだよ、ミスを隠蔽しない、透明性のある会社にしなければならない”会社からいただいた薫陶はこれからも会社全体に徹底して、次の時代に引き継いでいきたいと思っております」(以上で350字程度)
エピソードは1つまたは2つ入れる程度と考えるといいでしょう。弔辞とは、故人を「送る言葉」であると同時に故人の遺産を「いかに引き継ぐか」というためにあるのだと思います。いのちを引き継ぐわけです。引き継ぐ内容は、できるだけ故人の過去の言動を引用するといいでしょう。
また弔辞は、遺族や会葬者に「共感」を伝えるということが重要です。そのためにも「故人のイメージ」を鮮明に出す必要があります。中心はあくまでも故人なのです。そそて最後は「共感」をと伝えることで終わるといいでしょう。たとえば、
「会長は5年前に社長の座を譲られたとはいえ、会社の精神的な支柱であられました。私たち社員はこの巨大な支柱を突然失い、途方に暮れています。ご家族の皆様のお嘆きはさぞかしと思います。会長、あちらに行かれた後も私たちを、ご家族を見守ってください。以上をもって弔辞といたします。」
難しい言葉遣いは不要です。皆に伝わるように話すことが大切です。